コアウェブバイタルとは？SEO対策と指標（LCP/FID/CLS）｜改善方法・ツールは？

2022年10月24日2023年3月25日

Googleは、Webページのユーザー体験の重要な指標となる「コアウェブバイタル（Core Web Vitals）」と呼ばれる新しい指標群を発表しました。LCP、FID、CLSの計3つのメトリクスがあり、それぞれ読み込み速度、インタラクティブ性、視覚的安定性を測定します。

コアウェブバイタルが重要なのは、ユーザーエクスペリエンスの優れた指標であるだけでなく、SEOに関連するからです。つまり、コアウェブバイタルを改善することは、SEOの改善にもつながるのです。

今回は、3つのコアウェブバイタルの指標と、その改善のためにできることを詳しく見ていきましょう。

コアウェブバイタルとは？

コアウェブバイタルは、Googleがウェブサイトのパフォーマンスを評価するために使用する一連のパラメータです。ロードタイム、応答性、安定性などの要素が含まれます。

Googleがコアウェブバイタルを作成した目的は、優れたユーザー体験に貢献する要素をウェブマスター（ウェブ運営者）に明確に理解してもらうことです。これらの要素を透明化することで、ウェブマスター（ウェブ運営者）がサイトのパフォーマンスを向上させる動機付けになることを期待しています。

また、コアウェブバイタルは、Googleがウェブサイトを総合的に評価する上で重要な役割を担っています。ページビューや直帰率といった従来の評価指標に加え、検索結果におけるウェブサイトの順位表示を決定するために使用される予定です。

つまり、優れたユーザー体験を確保し、Googleの検索結果で上位を維持するには、ウェブサイトのパフォーマンスを向上させることが不可欠です。コアウェブバイタルは、これらの目標を達成するために役立つ貴重なツールです。

【コアウェブバイタルとは？】
コアウェブバイタルとSEO対策

Googleは、これらの指標は、ユーザーのウェブサイト体験の質を判断するために重要であると述べています。また、これらの指標は、検索アルゴリズムにおけるランキング要因として使用されるとも述べています。

つまりウェブマスター（ウェブ運営者）は、これらの指標であなたのウェブサイトのスコアを向上させるための措置を講じる必要があるということです。

また、Webサイトのコアウェブバイタルを改善することは、Googleの検索結果で上位に表示されるようになるだけでなく、Webサイト全体の品質を向上させることにもつながります。これは、ひいては、より多くのトラフィックとより多くのコンバージョンをもたらすことになります。

今後のSEO対策において、コアウェブバイタルを無視した施策はあり得ないと言っても良いでしょう。

【コアウェブバイタルとは？】
コアウェブバイタルの指標

コアウェブバイタルの指標１・LCP

LCP（Largest Contentful Paint）コアウェブバイタル指標の1つで、ページ上の最大のコンテンツ要素がロードされるまでの時間を測定します。

LCPが高速であることは、ユーザーに必要な情報が早く表示されるということにつながるため、優れたユーザー体験を提供する上で非常に重要です。

ページのLCPを高速化するために、以下のことを行ってください。

画像を最適化し、ファイルサイズを小さくする
コンテンツデリバリーネットワーク（CDN）を使用して静的資産を配信する。
ページ内のJavaScriptとCSSの量を最小限に抑える
コンテンツの表示を遅延させるレンダーブロッキングの原因となるリソースを排除する

これらの対策を行うことで、Webサイトで高速かつ快適なユーザーエクスペリエンスを提供することができます。

コアウェブバイタルの指標２・FID

コアウェブバイタルのFID（First Input Delay）は、ウェブページがユーザーの操作（クリックやタップなど）に反応するまでの時間を測定します。

ユーザーは、Webページが自分の操作にすぐに反応することを期待しているので、これはスムーズなユーザー体験を提供するために重要です。

FIDのスコアが高いと、Webページが入力に反応するのが遅いことを示し、ユーザーをイライラさせ、質の悪いエクスペリエンスにつながる可能性があります。

コアウェブバイタルの指標３・CLS

Cumulative Layout Shift（CLS）は、ページの読み込み中にページのコンテンツがどの程度移動するかを測定します。これは、画像や広告が異なるタイミングで読み込まれることや、ページの読み込み中にページレイアウトが変化することなどが原因です。

CLSが高いとリンクをクリックしたり、テキストを読んだりするのが難しくなるため、ユーザーにとって迷惑な場合があります。

Googleは、CLSをランキングアルゴリズムの要因の1つとして使用しています。つまり、あなたのサイトのCLSが高ければ、検索結果で下位にランクされる可能性があるということです。言い換えれば、CLSが高いためにトラフィックが損なわれている可能性があります。

【コアウェブバイタルとは？】
コアウェブバイタルの改善方法

コアウェブバイタルは、ユーザーエクスペリエンスに直接影響するため、改善することが重要です。これらの指標のいずれかが悪い場合、ユーザー体験が悪くなり、サイトからの離脱につながる可能性があります。

こういsたコアウェブバイタルを改善する最も効果的な方法としては、次のようなものがあります。

ページのサイズを小さくする
重いプラグインの使用を最小限にする
サーバーのレスポンスタイムを改善する

これらの対策を行うことで、ウェブサイトの読み込みパフォーマンス、インタラクティブ性、視覚的安定性を向上させ、結果としてユーザーにより良い体験を提供することができます。

それでは、各指標ごとの改善方法を確認してみましょう。

コアウェブバイタルの改善方法１・LCPの改善

ページスピードが重要であることに疑いの余地はありません。なぜなら、今の時代、人々は欲しい情報をすぐに手に入れることに慣れており、もしあなたのウェブサイトのスピードが遅ければ、ユーザーはすぐに次のウェブサイトに移ってしまうでしょう。

その指標となるのがLCP（Largest Contentful Paint）スコアを最適化することです。

具体的には次の4つの方法で、LCPのスコアを向上させることができます。

サーバーの応答時間をできるだけ短くする
画像を最適化し、読み込みが速くなるようにする
ページ内のコード量を減らす。
プラグインの利用を最小限にする

これらのポイントをおさえることで、ウェブサイトのパフォーマンスを向上させ、ユーザーに快適な体験を提供することができます。

コアウェブバイタルの改善方法２・FIDの改善

FID（First Input Delay）は、ユーザーの入力に対してページが反応するまでの時間を測定します。

つまり、そのページがユーザーの入力にどれだけ速く反応できるかが重要になります。ユーザーのアクションに対する応答性が高く、より効果的に処理することができるウェブサイトが高く評価されます。

FIDを改善させる具体的な方法としては、以下の方法があります。
Webサイトのコードを最適化する
キャッシュ技術を利用して速く読み込む

FIDを改善することで、ウェブサイトはより良いユーザーエクスペリエンスを提供し、全体的なパフォーマンスを向上させることができます。

コアウェブバイタルの改善方法３・CLSの改善

CLS（Cumulative Layout Shift）は、ユーザーがページ上で予期せぬレイアウトのずれを経験する頻度を測定します。CLSのスコアが高いということは、ユーザーが予期せぬレイアウトのずれを頻繁に経験しているということであり、これはユーザーにとってストレスとなってユーザー体験を悪くさせてしまいます。

CLSのスコアが高くなる要因は数多くありますが、一般的な原因としては以下のようなものがあります。

動的な広告：
ページがすでに読み込まれた後に表示されるような広告は、ページの正常な流れを乱すため、レイアウトのズレを引き起こす可能性があります。
サイズ指定のない画像：
画像に幅や高さが定義されていない場合、ブラウザはその画像のために確保すべきスペースがわからず、画像が最終的に読み込まれたときにレイアウトのずれを引き起こす可能性があります。
ページ読み込み時のレイアウト変更：
新しいコンテンツが読み込まれる際に、ブラウザがページのレイアウトを調整する必要がある場合、これもレイアウトシフトを引き起こす可能性があります。

では、CLSスコアを改善するにはどのような対策が必要になるのでしょうか？

すべての画像に幅と高さの属性を設定する
広告（Googleアドセンス）を非同期にロードし、ページの正常な流れを妨げないようにする
レイアウトを変更する前に、すべてのコンテンツがロードされていることを確認する

このような対策によってCLSスコアを改善させましょう。

【コアウェブバイタルとは？】
コアウェブバイタルのツール

コアウェブバイタルのツール１・Googleサーチコンソール

まず、Googleサーチコンソールを利用すれば、コアウェブバイタルを簡単に追跡することができます。これは、Googleの無料のツールで、ウェブサイトのパフォーマンスに関する重要な情報を確認することができます。

まず、Search Consoleにログインして、「ページエクスペリエンス」からレポートを確認することができます。

ここでは、コアウェブバイタルの指標に問題があるページを表示していますので、確認し修正することができます。

コアウェブバイタルのツール２・PageSpeed Insights

PageSpeed Insightsは、Webサイトの表示速度を測定し、評価する分析ツールで、Googleが無償で提供しており広く利用されています。

調べたいURLを入力するだけで、ページの読み込み速度がスコアとして表示されます。また、速度の評価だけでなく、改善のためのポイントも表示されるので、具体的な修正に役立てることができます。

モバイル端末とPCの両方に対応し、それぞれの結果を一度の分析で確認することができます。

コアウェブバイタルのツール３・Lighthouse

Lighthouseは、ウェブページの品質を向上させるためのオープンソースの自動化ツールです。公開ページや認証が必要なページなど、あらゆるウェブページに対して実行することができます。HTML5、CSS3、JavaScriptなど、さまざまなウェブテクノロジーをサポートしています。

コアウェブバイタルに関する指標は次の3つです。

Largest Contentful Paint：
ページのメインコンテンツがロードされるまでの時間を測定します。
First Input Delay：
ページがインタラクティブになるまでの時（ページを読み込むのにかかった時間）を測定します。
累積レイアウトシフト：
読み込み中にコンテンツがどれだけ移動したかを測定します。

これらの指標を改善することは、より良いユーザーエクスペリエンスを提供するために重要です。

コアウェブバイタルのツール４・Chrome UX Report (CrUX)

Chrome UX Report (CrUX) は、ウェブサイトのパフォーマンスを測定するのに役立つツールです。このレポートには、コアウェブバイタルを含む数多くの指標に関するデータが含まれています。

コアウェブバイタルの指標としては、ページのロード時間、最初のコンテンツが表示されるまでの時間、インタラクティブになるまでの時間などの測定基準が含まれます。

このレポートでは、これらの測定基準がブラウザ、デバイス、国によってどのように異なるかについてのデータを提供しています。

コアウェブバイタルのツール５・Chromeデベロッパーツール

Chromeデベロッパーツールは、Google Chromeブラウザに組み込まれているツールであり、さまざまな機能が含まれています。これらの機能のひとつに、コアウェブバイタルのレポートがあります。

コアウェブバイタルのレポートは、「First Contentful Paint」「Largest Contentful Paint」「Cumulative Layout Shift」「Total Blocking Time」など、多くの主要なパフォーマンス指標に関するデータが提供されます。また、これらの測定基準が、異なるブラウザやデバイス間でどのように異なるかについての考察も提供しています。