クレーマーを愛す

クレーマーは嫌い」と言う経営者を見かけますが、この発想をもったら終わりです。その会社は潰れます。

私はクレームを愛しています。先日も「バカ!」とクレームを頂きました。ありがたく頂戴しました。いえ、正確には一度頭にきました。

でも、そのクレーマーのおかげで、私は自分の過ちに気がつき、恐らくこの先の利益で考えると、何億円の価値はあったと思います。「クレームはチャンス」というのは、色々な本に書かれていますが実際にその通りだと思います。

しかし、頭ではわかっている人が多いのですが、実践できている人はほとんどいません。ましてや会社組織としてチームメンバー全員が「クレームはチャンス」のマインドとルールをもっている会社は皆無に等しいです。

クレーマーは口が悪い人が多いです。そのため、頭にきますし無視したくなります。しかし、言動に問題はあるにせよ、本質的には「商品改善の知恵」を与えてくれています。

弱点を指摘してくれるのでありがたいです。その弱点を解決すれば商品はパワーアップします。そして他のお客様を満足させることができます。

結果、利益に繋がります。

アンケートが大事なのはご存知だと思いますが『1つのクレームは100のアンケートに匹敵』します。本気で、真剣に、飾りなしで本音のアンケートを言ってくれるのがクレーマーです。膨大な時間とお金をかけてアンケートをとる手間が省けます。ですので、本当にクレームを愛さなければいけません。

1人社長の場合は自分がこれを覚えておけば良いですが、チームがいる場合は大変です。例えば、クレームの受け付け係が「コイツムカつく」と思ってクレームを無視したとします。すると、商品の改善点が見えません。

ですので、

クレーム=アイデア=すぐ報告&すぐ改善

というのは、チーム全員に『浸透』させないといけません。

さらに言えば、社長であるあなたは、

クレーム=アイデア=すぐ報告&すぐ改善

というTシャツを着て社内を歩き回っても良いくらいです。

当然ですが、1人のクレームだけに固執すると全体が見えなくなります。ですので、統計や確率をとって適切にビジネスに反映させるのは大事です。

ただ、『問題が起きたらすぐ報告する人間が偉い!』というマインドは、チーム全員に浸透させ社風にしないといけません。「クレームや問題を報告したら怒られる」という状態になったら会社は腐ります。つまり、潰れます。

クレームは本当にアイデアの宝庫で私は何度も救われました。例えば、あるビジネス系メルマガは毎朝「8時」にメールを送っています。しかし、今までは朝「6時」に送っていました。2時間の時差があります。

なぜ朝6時なのかと言えば、私の教えの1つに、「早起きして朝日を浴びてメラトニンを正常にしよう」という考えがあり、それを読者さんにも強要していました。そして、喜ばれていました。

しかし、私のことを知らない「新規」の読者さんが増えてきました。また時代の変わり目で今まではパソコンでメールを見ていたのがスマホでメールを受信する人が増えました。

そうしたらある日、こんなメールが届きました。

テメー朝何時だと思ってんだ?偉そうなメール送ってきやがって!時間を考えろ!バカ!

見た瞬間に頭に血が登りました。

だったらメールを購読しなければいいのに!

と思ったのですが、少し落ち着いて考えました。確かに、早起きの習慣は「昔」の会員さんには伝えていましたが「新規」の方には伝えていませんでした。

同時に、相手の立場になった時に寝ているのにメールで叩き起こされ、しかも偉そうにビジネスの話をされる...これは「確かに頭にくるな」と思いました。

そこで2つの改善をしました。

1つ目は、時間を変えたこと。朝6時から8時に変更しました。8時なら、夜間勤めている人でなければ大抵は起きていますし、出勤時間ですのでメールを読んでもらえる確率が高くなります。

もう1つは、新規のお客様にも早起きや健康の大事さについてコンテンツを送るようにしました。ステップメールの最初の方に組み込みました。健康の知識は感謝されることが多く、新規の読者さんから、お礼のメールが届くことが多くなりました。

またメールの配信時間に対してのクレームはその日以来なくなりました。「文句を言ってくれる人はありがたいな」と思った日でした。

お客様で一番怖いのはクレーマーではありません。一番怖いお客様は...『黙って去る人』です。お金と労力をかけて集めた読者さんが黙って去ってしまう。これが一番怖いです。お金の無駄遣いです。

クレーマーと呼ばれる人は口が悪い人は多いのですが、それでも私たちに「期待」をしてくれています。(単に機嫌が悪くて八つ当たりの人もいますが)

ですので、ありがたく文句を頂戴しましょう。そしてこのマインドセットは『チーム全員に浸透』させなければいけません。

企業理念も同じなのですが、浸透させなければ意味がありませんし、それが無意識レベルで実践されてなければ効果はありません。

クレームを愛しましょう。そして、問題をすぐに報告したら褒められる社風にしましょう。問題を報告したら感情にまかせて怒るような社長では会社は腐ります。

...とは言っても、やはり部下のミスなどで損失を被ると、無意識で「オイ!何してるんだ君は!」となってしまうのが人間です。

ですので、次は『怒りの感情をコントロールする方法』をお話しようと思います。

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