『必要性』と『タイミング』
子供の頃は...「天才になりたい」とずっと思っていました。頭が良い人が羨ましかったです。
でも、最近は「天才の90％は損をする」と思うようになりました。
アップルのスティーブ・ジョブズは、2004年には「スマホを作る」ことを明言して、すでに着手していました。実際にスマホが大流行したのは2012年ですので、彼は12年も前から未来を予測していたことになります。
しかし、ジョブズのすごいところは、未来を読む力ではなく『タイミング』だと思います。今ではアップル社の売り上げは
20兆を超えています。2015年度の売り上げは28兆円です。
ちなみに日本の歳入は96兆円。国の歳入と会社の売り上げは似ていますので、アップルの28兆円という売り上げは、世界14位のサウジアラビアの歳入よりも多いのです。韓国は21兆円、スイスは18兆円の歳入ですので、どれだけアップルという会社（国家）がパワーがあるかわかると思います。
そして、その起爆剤になったのは、やはりスティーブ・ジョブズの力が大きかったと思います。ジョブズは、未来を読む力がすごかったと思います。
しかし、大切なことは『ベストなタイミングで世の中にリリースした』ことだと思います。
なぜなら、スマホはアップル社だけのものではなく、ジョブズよりも前に販売した人もいますし、グーグルやマイクロソフトも販売しました。iPhoneは2007年、確か、グーグルとマイクロソフトは、その2年前の2005年にスマホを本格的に販売しています。
しかし、スマホ市場での一番の勝ち組はアップル社です。いくら未来を読む力が強くてもタイミングが早すぎたら世の中から反発されます。要は、グーグルやマイクロソフトのスマホシェアが伸びなかったのは、
- 通信速度
- インフラ
- 必要性
- 部品のコスト
などが、まだ整っていなかったため、あまり普及しなかったのです。
また、いくら未来を読んでいていても、タイミングがあまりにも早すぎると「妄想家」とか「夢見がち」とか、そんな風に言われます。逆に、遅すぎたら、ライバルにすべてを持っていかれますので、市場がレッドオーシャン化している中で勝負することになります。
そして大抵、負けます。
ジョブズはタイムマシーンを使わず、ベストなタイミングでリリースしました。「やはり天才だな」と思います。
しかし…実は今から『100』年以上も前にスマートフォンを予測していた大天才がいます。『ニコラ・テスラ』という人物です。
「エジソンが電気を発明した」と思っている人が多いですが、実は現在メインで使われている交流電流を発明したのはテスラです。（エジソンは直流）エジソンの派手な活動の影に隠れてしまいましたが、「テスラこそが本物の天才」と思っている起業家や研究者は数多くいます。
テスラは100年以上も前から現代社会を予測していました。100年前といえば第一次世界大戦の頃です。当然、スマホどころか携帯電話もない時代です。
そんな大昔に「スマホのような形の携帯電話が流行する」と、雑誌のインタビューに残しています。しかし、彼は一部のマニアックな人を除いてあまり知られていません。あまりに先を行き過ぎていたらテスラさんは、大手からの研究費用も打ち切られて、たいして日の光を浴びないまま亡くなりました。
未来を読む力は重要です。「読む」というと難しいですが、私が未来を考える時はグーグルやフェイスブックなどの一流企業が「今何に投資をしているか？」をチェックするだけで、ある程度の未来は読めます。
大事なのはタイミングです。
例えば、グーグルなどは自動走行の車や宇宙事業、AI（人工知能）に投資しています。こういった情報はニュースを見ればわかります。しかし、いつ彼らが本格的に仕掛けてくるのか、そのタイミングはわかりません。
しかしタイミングさえあえば、これこそ一発逆転の最大の要素になると思います。
100年前に未来を予測したからと言って、成功者とは呼ばれなかったテスラさんが良い例です。「あまり天才すぎても損をする」
というエピソードの1つです。
タイミングとは『必要性』です。多くの人が「いま必要！」と強く感じた時に求められている商品を出せば大ヒットします。
さて、今の世の中では何が必要とされていますでしょうか？今の日本では何が必要でしょうか？今のあなたの周りに『緊急度の高い必要性』は存在しないでしょうか？
ビジネスだけに限らず、人生のすべてにおいて重要なのは、タイミングと必要性です。結婚だって、タイミングがあわなければ
どんなに素敵な人とだって結ばれないと思います。いくらあなたが素敵でも「まだ結婚したくない」と思っている人とは結婚はできないと思います。
『必要性』と『タイミング』
この2つ意識して毎日を生きていると、たくさんの面白い発見に出会えます。
