クレーマーの優先順位
少し前のメールで「クレーマー」について書きました。すると「クレームはチャンスだとわかっています。ですが、ストレスがたまりますし、全員のクレームを聞いていたら体がもちません!」というメールをもらいました。
そこで今日は補足です。よく「お客様は神様」という言葉がありますがそんなワケがありません。アメリカでは「お客様は上司」というニュアンスもあるそうですがこれも「う~ん?」です。
そもそもクレームを言ってくる人がお客様(お金を払う意思のある人)とも限りません。
すべてのクレームを聞いていたら目先の改善はできるかもしれませんが、長期的なプロダクトは作れませんし、そこに時間、お金、労力を裂けません。
では、クレームに対して、どういう心がけをもつのが正しいのか?
私自身は、やはり「クレームはチャンス」だと捉えています。「クレームを全て聞いて全て今すぐ解決する」とは思っていません。あくまで「チャンス」です。
まず、前にもお話しましたが、一番怖いお客様はクレーマーではありません。黙って去る人です。クレーマーは言葉が悪い人が多いですが、それでも間接的に、自社の欠点を教えてくれています。
- 「ここが悪いよ」
- 「あの担当者が悪いよ」
と知らせてくれます。
ですので、対応したり改善すれば、それは自社や商品のプラスになります。
しかし、何も言わないで黙って去ってしまう人の方が遥かに多く、その場合は、「悪い部分が見えないのに、なぜか売上げ下がっている」という状態になります。こうなると改善点もわからないでどんどん衰退していきます。
これはお客様だけの話ではありません。組織やチームが多くなると、
- いちいち文句をいう人
- 文句を言わないでネット上に悪口を書いたり内部告発する人
- 黙ってやめる人
などに分かれてきますが、これも同じことが言えます。ですので、組織全体の風潮を「クレームウェルカム!」という状態にしておかなければいけません。
まず、どの会社も以下のルールや信念を浸透させると良いと思います。
- 問題をすぐに報告した奴が偉いシステムにする
- クレームや問題を隠したらペナルティ
- 一番怖いのは文句を言わずに黙って去る人だと認識させる
- 1つのメールやクレームの裏には10倍以上の同じ事を考えている人がいる
- クレームは改善点を発見できるチャンス
これを徹底させるだけでクレーム溺愛チームができあがります。そして常に進化・改善が繰り返させれるチームになります。
ただし、先ほども言いましたが、1人の意見に左右されすぎるとおかしな事になります。お客様も単純に、
- 機嫌が悪い
- 愚痴を言いたい
- さみしい
という理由から思いつきでクレームなどをいう時があります。少し冷静になって俯瞰して、その意見は他のお客様の総和になっているかどうかの判断も必要です。
また、「クレームを全て聞いて全て今すぐ解決する」これをやると、長期的な戦略が立てられず目先の問題にばかり振り回されます。ですのですべてのクレームは今すぐ解決するものではありません。優先順位があります。
あなた自身のゴールが明確であれば、どれが優先順位が高いのかわかると思います。
そしてクレーマーの中には、たださみしいだけの人もいます。ですので常に「見込み客か?ただの寂しがり屋か?」を、意識する必要もあります。
クレームは楽しくありません。が、やはりクレームにこそ改善のチャンスは一番眠っています。
クレームを溺愛しましょう。