付加価値②トライアル
付加価値の2つめは『トライアル』です。
無名な会社や商品が一気に有名となる強烈な凶器です。
が、使い方を間違えると金と時間の無駄遣いになるので注意が必要です。
付加価値トライアルとは...
- デパ地下の試食
- 無料オファー
- アマゾンの返金自由
など、簡単に言えば「お試し」です。「試しに使ってみないと怖くてお金を払えない」というのは、多くの人の欲求で、特にシニア層や主婦層にはトライアルの付加価値が響きます。
ただ、大抵の企業のトライアルは『空振り』に終わっています。
エステやマッサージなどで「通常1万円が初回無料です!」とうたっていますが、お金の無駄遣いです。
なぜか?
トライアルの目的は『有料のメイン商品を買ってもらうため』です。
無料、もしくは格安でトライアルをばら撒いても、本来の目的であるフロント商品の購入に繋がらなければ意味がありません。
大半の企業や店舗は「他店がやっているから」という安直な理由でトライアルを使います。しかし、トライアルが実力を発揮できるのは、
- トライアル商品でファンになってもらえる事
- フロント商品に繋がる動線が完成している事
最低でもこの2つのどちらかが確率されてないと意味がありません。
1の良い例で言えば、最近では定番となったエナジードリンクの『レッドブル』や『モンスター』は見事でした。様々な場所で無料で配っていましたが、ファンになった人も多いと思います。恐らく、認知率をあげればファンになることを知っていたので、彼らは無料でばら撒いたのだと思います。
エナジードリンクは、アイデアそのものが隠れた必要性をついてました。これまで栄養ドリンクと言えばユンケルの一人勝ちでした。しかし、正直「高い」です。1本1000円、高いものだと5000円とかします。これだと買える層は限られています。
かと言って、下位層であるオロナミンCだと何かパワーを感じない...恐らく、そういう隠れたニーズと層が大量にいたのだと思います。販売から1年もしない内にエナジードリンクは定番になりました。
シリコンバレーのベンチャー起業家の中には「レッドブルを飲んだ数=成功」とまで言う人がいるほどです。トライアルでファンになれば、後は手の平で転がされます。
既にレッドブルのファンになった人は、高くてもコンビニや自動販売機などで購入していると思います。トライアルの見事な例です。
もう1つ、「2:フロント商品に繋がる動線が完成している事」これも大切です。
例えば、エステなどで「通常1万円が初回500円」などのキャンペーンをやっています。しかし、そこでキチンとしたクロージングができていません。言葉は悪いですが、エステなんて高額コースをローンで組ませてなんぼのものです。
エステの技術なんてどこも対して変わりません。接客、トークで売上げが変わる商売です。無料(もしくは格安)で来てくれたお客様に対してバチンとクロージングできなければトライアルの意味がありません。
特にエステのお客様の中には無料エステをはしごするのが趣味の人もいるくらいです。カモにするつもりが逆にカモにされています。
「無理矢理、詐欺商品を売ろう」という事ではありません。フロントに繋がるトークなどの動線を整えておきましょう。という話です。
トライアルで一番大事なことは、
『トライアル=セールスレター』
というマインドセットです。
トライアル=無料であげる
のではなく、あくまでフロントに繋がる
- 魅力的な商品やサービス
- 欲しくなるセールストークやレター
がなければ意味がありません。
トライアルの商品が悪ければ、その後ろにあるメインの商品は買ってもらえません。トライアルがセールスでなければ、お客様は無料を楽しむだけです。「トライアルに命を懸ける」このマインドが重要です。「無料だから適当なもので良いかな」というレベルではいけません。
極論を言いますが、「トライアルは有料商品よりも優れたものを出す」これくらいの覚悟が必要です。それでこそ初めてトライアルは威力を発揮します。
トライアルは強烈な手法ですが、使い方を間違えて逆にカモにされないように気をつけて下さい。
次回は特に中小企業にとって強力な武器となる『スペシャリティ』という付加価値について詳しくお話します。