付加価値⑪アシスタント
実家の親からたまに困った電話がかかってきます。
「ネットが繋がらないんだけど...」
「スマホの画面がおかしいんだけど...」
時には、
「水漏れが止まらないんだけど...」
本音を言えば...
「ネットで検索してくれ!」
「水漏れは、俺じゃなくて水道屋に聞いてくれ」
なのですが、母親からの電話です。
「あ~それはね~」と言いながら、ネットで検索しながら解決策を探して教えます。面倒ですが、これも親孝行です。
とは言え、私達でも、
「パソコンがフリーズした」
「スマホがおかしくなった」
で困って検索する事がありますし、解決しなくて友達に聞いたりします。
『iPhoneは紙の説明書なし』
という革命を起こしましたが、若い人はともかくですが、分からない人も多いと思います。(ただユーザーニーズのない無駄な機能ばかりあるソニーや富士通の日本勢よりは遥かに使いやすいですが。。。)
またネット回線、特にモデムとかは、私も未だにわからないまま使っています。
2000年ごろからネットが普及しましたが、ハッキリ言って、機械の性能に私達人間が追いついていないと思います。
半導体の世界には『ムーアの法則』という言葉があり、簡単に言えば「メチャメチャ速いスピードで半導体やコンピューターは進化する」という事なのですが、人間の進化はそこまで早くありません。
「わからないけど使ってみよう」
「必要な機能だけわかればいいや」
くらい楽観的な人でないと、今の機械の進化にはついていけないと思います。
しかし、私の親も含むシニア世代は、説明書をしっかり読みミスのないのように確実・完璧にという層が多いです。シニア世代に「とりあえずやってみなよ」とアドバイスすると「壊れたらどうするんだ?」と言われることも少なくありません。
しかも現在は『IoT』の時代です。
Iot=Internet of Things(インターネットオブシングス)
つまり、ネットと家電などがセットになってきています。家に帰る時間になるとエアコンが勝手についたり、冷蔵庫の中身をセンサーで調べ温度を調整したり、正直、私も全ては理解ができていません。でも、使えているので「まぁいいか」と思っているのですが故障したら最悪です。
また特に問題なのが『設置』です。最新の機械などは設置や設定の時点で「?」になります。
いや~時代の進化は早いですな~と言いたいのですがそれでは困る人がたくさんいます。高齢化の日本では、これから更にこの問題が生まれると思います。
そこで必要とされるのが『アシスタント』の付加価値です。
要は『お手伝い』です。機械だけに限らず、お手伝いが必要な分野はたくさんあります。
例えば、保険。私も社長保険などに入っていますが、正直、意味がわかっていません。「節税になる」くらいしかわかりませんし、入り方もわからないので、いつも詳しい仲間が手伝ってくれています。
あとは家具。最近の家具は安いですが「自分で組み立てなさい」というものが多いです。私は組み立てるのは好きなのですが下手です。毎回、ドライバーでネジ穴をダメにします。
また忙しい時は「お金を払うから誰か代わりにやってくれ」とも思います。
工場を経営している方から聞いたのですが、高額で最新の機械を導入しても「使い方がわからない」と言っていました。
だからこそ『アシスタント』が必要です。
家具のイケアは、別料金で『組み立てサービス』を提供しています。ブラック企業で有名なキーエンスは機械の使い方を教えるサービスを提供しています。ドコモなども『スマホ使い方講座』などをやっています。
ただ、正直なところ、大手は『アシスタント』を避ける傾向にあります。儲からないし、効率が悪いからです。ですので、私達中小企業はチャンスがあります。アシスタントの付加価値をつけるだけである一定の層を独占できます。
また今後、お話しますが、私たちは『ターゲットを絞りきる』ことが重要です。大手のようにメディアを使ってみんなに買ってもらえるような商品やサービスを作ってはいけません。
また基本的に、私達中小企業は「ブームを作ろう」と思ってはいけません。ブームを作るには、それなりのお金と労力と時間がかかります。ブームは大手にまかせて、大手がやりたがらない隙間をつく方がキャッシュは回ります。
その大手がやりたがらない1つが『アシスタント』です。
高齢者が増えていきているので、これからはこの付加価値の需要はかなり増えると思います。
- 業界では当たり前
- 自分たちの年齢では当たり前
- 経験者には当たり前
の事であっても、ある一定の層にとっては「わからなくて死ぬほど辛いこと」は、たくさんあります。
まず、あなたのビジネスの中でアシスタントが必要な仕事を探してみて下さい。そしてターゲットを絞ってみて下さい。アシスタントの付加価値は、これからどのビジネスでも必要ですし、これ単体でも、商売になるものがたくさんあります。
誰かの「面倒くさい」はお金になります。代わりにやればお金をもらえます。「面倒くさい」を見逃さないように常に目を光らせておいて下さい。