外部要因と内部要因
今回は『外部要因と内部要因』についてお話しします。
私たちの成功の半分近くは『外部要因』に左右されています。「努力すれば報われる」という言葉はありますが正確ではありません。「正しい(ゴールに直結する)努力をすれば半分くらいは報われる」これが真実だと思っています。
行動して損することはありません。努力はガンガンするべきです。ただし、ゴールに関係ない努力をしていても時間とお金と労力が無駄になります。最短の時間と最小の労力で成功したければ、ゴールに直結した努力『だけ』をすることです。
しかし、ゴールに直結した正しい努力をしていても、成功できない場合があります。それは『外部要因』です。多くの経営者は、ここを無視して痛い目をみています。
ハーバード・ビジネススクールの研究で「利益を生み出す要因の46%は外部要因」という結果が出ています。つまり、どんなに正しい努力をしても、半分近くは『外』に左右されます。
特にグローバル化された現在では、外部要因が更に大きな割合を占めるようになりました。為替変動や海外企業の進出です。今までは輸出や輸入は大企業の仕事でしたが、これからは私たち中小企業も、
- 海外に売る
- 海外から仕入れる
という事が当たり前になります。
Amazonで買い物をした事がある人も多いと思いますが、購入代金は海外の本社に届き税金は日本に収められていません。
Amazonで買い物をする=海外取引
とも言えます。
またピーター・ドラッカーが「日本は再び経済で世界一になる」と予言していましたが、高齢化社会が最も進んでいる日本は、
この市場でビジネスを成功させたら海外にノウハウやサービスや商品を輸出できます。
ドラッカー氏が言いたいのは「シニア市場を開拓すれば日本は経済でトップになれる」という事です。輸入販売をしている人は理解していると思いますが、これからは中小企業であっても為替などは無視できなくなります。
話を戻します。
『利益の46%は外部要因』
という話をしました。例えば、あなたがエステ店を経営していたとします。もし近所に大手が参入してきたらどうでしょうか?
内部努力だけではカバーしきれません。
ちなみに、外部要因と内部要因は、以下の言葉に置き換えた方が理解しやすいかもしれません。
外部要因=環境
- 為替
- 石油
- 法律や規制
- ライバルの動向
- 消費者心理
- ムーブメント
内部要因
- 自社の強み
- 市場規模(各市場には稼げる限界値があります)
- ビジネスモデル
- 収益性
- 人材
- 戦略
などです。
46%の外部要因について、例を出すのが難しいのですが、どの会社にも当てはまることは、
1:最低でも3つのリサーチはとことん行うこと
- ライバルのリサーチ
- 自社のリサーチ
- お客さまのリサーチ
2:ライバルには直接的・間接的の2つを理解すること
エステであれば、直接的ライバルはライバルのお店です。間接的ライバルとは、「綺麗になる」という『結果』から考えると、マッサージ、サプリ、スキンケア商品など。
もっといえば、『お客様がお金を使っているもの全て』は間接的なライバルになります。
お客様のお財布(使えるお金)は限られています。お客様は使えるお金の範囲内で、
- あなたの会社にお金を使うか?
- それとも他社にお金を使うか?
と常に悩んでいます。
たとえ、あなたがエステ店だとしても
- スマホゲームの課金
- ディズニーランド
- 洋服
など、全てがライバルになります。
つまり考えるべきことは、ディズニーランドよりもワクワク夢を見られて、マホゲームよりも楽しくて夢中になれて、洋服を着るよりも綺麗になれる、そんな付加価値やサービスをつけなければいけないという事です。
中小企業の経営者はライバルを無視する傾向にあります。あまりライバルのリサーチを行っていません。間接的ならともかく、直接的ライバルも無視しています。
- ライバルが何を売っているか?
- どんなサービスを展開しているか?
- どんなコンセプトなのか?
こういった事をリサーチしている人が少なすぎます。
「良い商品だから売れる」と内部要因ばかり見ていますが、46%の外部要因を見ないといけません。
外部要因についてもまた今度お話しますが、ここで覚えなければいけないことは、「外部要因はコントロールできない」ことです。
ライバルがあなたの隣に、あなたより魅力的なお店を出すのを阻止することはできません。もちろんリサーチをしたりライバルを超える付加価値をつける必要はありますが、外部要因はコンロールはできないのです。
「利益の半分の要因でもある外部要因をコントロールできない」
これは凄く怖いことですが、ライバルも同様です。ライバルも外部要因をコントロールできません。つまりどこに焦点を当てれば良いか?それは、『コントロールできる内部要因は120%にしておくこと』です。
コントロールできないものをコントロールしようとするほど無駄な努力はありません。「1ドル100円を200円にしよう!」と思っても、できないものはできないです。
そうではなく、コントロールできるもの『だけ』に力を使えば良いのです。
内部要因も分解すると様々なパーツにわかれます。
例えば…
- 正しい市場に入る(市場規模や成長を考慮する)
- 大勢を魅了するビジョンを持つ
- 素晴らしい人材を確保する
- 正しく明確なゴールを持つ
- 正しい戦略を練る(自社のリソースにマッチさせる)
- 利益のとれるビジネスモデルにする
など、があります。
これらの内部要因について、定期的に見つめ直していきましょう。
まとめると、
- 外部要因には徹底的なリサーチを、
- 内部要因は120%コントロールを、
それぞれ追求していきましょう。