前回の続きで...「老人を奴隷にする方法」をお話します。

タイトルが過激なのですが、読んでもらうために興味性を引いているだけですので勘弁してください。コピーライティングのテクニックの1つです。

前回のメールで「80歳前後のシニアにタダでポスティングしてもらっている」という話をしました。彼らは年齢的にも信頼もあるので、やる気の無いアルバイトや妙なポスティング会社と違って、積極的にチラシを撒いてくれます。

例えば、ただポストにチラシを投函するだけでなく玄関先に人がいたら、「これいいよ~、使ってみなよ」などと、直接手渡してくれたり近所の人や、老人会などで宣伝してくれたりもします。

これまで複数のバイトやポスティング業者にお願いしましたが、同じチラシでも2~4倍の成約率がでるようになりました。

なぜ80歳前後のシニアにポスティングをお願いしているのか?というより、彼らはなぜタダ働きをしてくれるのか?

ひとことで言えば「彼らに生きる意味と場所を提供しているから」です。世の中には「働きたいけど働けない」という人がたくさんいます。「社会や家に自分の場所がない」と悲しんでいる人がたくさんいます。

例えば、ニートと呼ばれる人の中にも「働きたいけど、コミュニケーションが苦手でどうしても面接に受からない」という人もいますし、身体に障害があって「働きたいけど会社が受け入れてくれない」という人もたくさんいます。

今のシニアは、ひと昔前のシニアと違って心も身体も元気なのですが「高齢者扱いされて就職もできない」という人がたくさんいます。こういう方たちはある意味で「お金よりも生きがい」を求めています。

私は元気なアクティブシニアが「社会に対して何か役に立ちたいけど世間や家族から隔離されている」という相談をよく受けていました。また私の会員さんの中には70歳以上の人が多くて「今から起業したい!」という人もたくさんいました。

そこで「社会に対して何か役に立ちたいけど世間や家族から隔離されている」というニーズはわかっていました。が、具体的に何をすれば良いのかわからない状態でした。

自身のリソースを考えて「シニア向けの起業サービス」などをやろうとも考えましたし、少しリソースから外れますが「シニア専門の人材派遣」なども良いなと思っていました。

上記はどちらもリサーチをして需要はある程度見えていますので当たるとは思います。しかし、タイミングがあわずなかなか着手できませんでした。

そんなある時、たまたま公園で朝、運動しているおじいちゃんと話す機会がありました。その時、なんとなくの話で仕事のチラシの話になりました。

そうしたら、おじいちゃんが「それなら、朝2時間くらい散歩してるからついでに配ってあげるよ」という話になりました。「散歩ついでにポスティング」をしてもらう事になったのです。

試しにやってもらったら反応率が普通よりも高くて「これはいいぞ!」と思いつき、それからその方に「友人でやる人はいないか?」と聞いてもらいそこから一気に広がり「シニアポスティング部隊」が出来上がりました。

「バイト代を払わせてくれ」といっても「散歩ついでだから別にいらない」という話になり、全員ではありませんが、基本的にはタダで配ってもらっています。

シニアは人脈と信頼があるので、

  • ポスティング中に近所の人に声をかけてもらう
  • 人脈があるので自然に広がる
  • 老人会や敬老会で広めてくれる

など、若い人にはない強みも発揮して、他社が数十万かけているポスティングをタダでやってもらっています。

タダが良いということではありません。自分本位や、自分の価値観だけで考えない、という事です。世の中にはお金のためではなく自分の存在意義や、世の中の役に立てることの方が大事、と思っている人がたくさんいるのです。

タダでも仕事をしたいと思っているのに、そのステージが用意されていない人がたくさんいます。適材適所という言葉がありますが、その人の能力を見抜いてあげて活躍できる場所においてあげるのはトップ、コンサル、教育者の大事な仕事です。

「シニアにタダ働きさせよう!」という話ではなく、

  • 適材適所に人をつけること
  • 自分の価値観だけで物事を考えない事

この2つ覚えてもらえれば嬉しいです。

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